野鳥撮影など動きの速い被写体を撮るのに最適なカメラが「一眼レフカメラ」です。最近ではミラ-レスカメラの台頭で一眼レフカメラの影が薄くなった印象ですが、まだまだ野鳥撮影などで活躍してくれるカメラです。
そんな一眼レフカメラですが、どんな特徴があるのでしょうか?
今回の記事では、「一眼レフカメラ」の特徴を説明し、特に野鳥撮影でどのようなメリットがあるのか考えてみたいと思います。
一眼レフカメラとは?
一眼レフカメラは、レンズを通った光をカメラボディ内のミラーに反射させて、ファインダーに導きます。この一眼レフカメラのファインダーを「光学ファインダー」と言います。
一眼レフカメラはレンズを通った光がそのままミラーに反射されて、ファインダーで見ることができます。そのため、一眼レフカメラのファインダーで見えている光は「実像」ということになります。
簡単に言うと、カメラボディの中に「ミラ-」があるカメラが「一眼レフカメラ」です。ちなみに一眼レフのレフとは、光が反射するという意味のレフレックス(reflex)からきています。
一眼レフカメラの特徴
それでは一眼レフカメラの特徴を見ていきましょう。主な特徴は下記の通りです。
- 光学ファインダー
- タイムラグが少ない
- AFポイントが少ない
- バッテリーの消耗が少ない
- イメージセンサーを汚しづらい
- 連写性能が弱い
- カメラボディが大きくて重たい
- 握りやすい
- 重いレンズを装着してもバランスが良い
- 販売しているメ-カ-が少ない
- 新商品が販売されていない
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
光学ファインダー
一眼レフカメラの最大の特徴は、「光学ファインダー」であることです。
先程も言いましたが、光学ファインダーは「実像」を見ています。そのため、野鳥撮影などの動体撮影ではリアルタイムなものを見ることができるので、被写体を追いかけやすいというメリットがあります。
光学ファインダーである一眼レフカメラは、野鳥撮影で人気のあるカメラになっています。
タイムラグが少ない
カメラの電源を入れてから撮影できる状態になるまでの時間が、一眼レフカメラは短いです。また、スリーブ状態からの復帰が早いのも、一眼レフカメラが優位に立つところです。
タイムラグが少ないということは、撮影できない状態が少ないということなので、シャッターチャンスを逃す可能性が少なくなります。野鳥の飛翔シーンなど、一瞬の動きを捉えなければならない野鳥撮影ではタイムラグが少ないことが武器になります。
AFポイントが少ない
一眼レフカメラは、ミラーレスカメラに比べてAFポイントが少ないです。しかも、中央に寄っています。そのため、ミラーレスカメラに比べると、構図の自由度が劣ってしまいます。
特にエントリーモデルほど、AFポイントが中央に寄っています。一眼レフカメラで野鳥を撮影する時は、ミドルクラス以上の機種じゃないと、日の丸構図になってしまいがちになります。
バッテリーの消耗が少ない
一眼レフカメラは光学ファインダーなので、ファインダー撮影しても電気は消費しません。そのため、バッテリーの消耗が少ないことがメリットとして挙げられます。
バッテリーの消耗が少ないということは、バッテリー交換の頻度が少なくて済むということになります。野鳥撮影は、屋外が主なフィールドになります。特に冬の寒い日のバッテリー交換は、結構きついです。とは言え1日中の撮影だと、夕方にはバッテリー切れの心配があります。朝から晩まで撮影する人は、予備バッテリーを用意した方が安心して撮影に集中することができます。
イメージセンサーを汚しづらい
一眼レフカメラは、レンズを通った光を「ミラ-」に反射させてファインダーに導きます。このミラ-は、イメージセンサーの前にあります。そのため、ミラ-が壁となって防御して、イメージセンサーを埃などから守ってくれます。
野鳥撮影は屋外で行うことが多く、レンズ交換もしばしば行います。イメージセンサーの前にミラ-があることで、屋外でのレンズ交換も躊躇うことなく行うことができます。
いくらミラ-がイメージセンサーを守ってくれると言っても、万全ではありません。屋外でレンズ交換を行う時は素早く行い、カメラボディ内に埃が入らないように細心の注意を払いましょう。
連写性能が弱い
あくまでもミラーレスカメラと比べるとですが、一眼レフカメラは連写性能が劣ります。一眼レフカメラの最高連写枚数が、1秒間に14枚であるのに対して、ミラーレスカメラは20枚以上という機種が多いのです。
特に野鳥の飛翔シーンなどでは、連写性能が高いほうが決定的なシーンを撮影できるチャンスが多くなります。少し前までは、1秒間に10枚の連写性能があれば最高機種と言われていましたが、今ではこのスペックだと物足りなくなってしまいました。
少しでも決定的な瞬間を撮りたいと思っている人は、ミラーレスカメラの方がいいでしょう。
カメラボディが大きくて重たい
一眼レフカメラのデメリットとして挙げられるのが、このカメラボディが大きくて重たいということです。大きくて重たいということは、携帯性が悪いということになります。このことが一眼レフカメラの人気が下がった一因となっています。
しかし、カメラボディが大きくて重たいということはデメリットだけではありません。以下にその原因を説明していきます。
グリップが握りやすい
一眼レフカメラのカメラボディは大きいので、グリップを大きく深く作ることができます。このグリップが大きく深いことで、手の大きい男性でも小指を余すことなく握ることができます。
カメラが握りやすいということは、一眼レフカメラの重さをあまり感じることなく手持ち撮影することができます。
重いレンズを装着してもバランスが良い
野鳥撮影では望遠レンズを使うことがほとんどです。望遠レンズはバズーカーみたいなゴツイものもあり、レンズだけで2kg以上の重量があります。F値の小さい望遠レンズや600mm以上の超望遠レンズだと、それ以上の重量になります。
一眼レフカメラはカメラボディが重いので、重たい望遠レンズを装着してもバランスが良く頭でっかちになることもありません。一眼レフカメラと望遠レンズのバランスの良さと、グリップの握りやすさの相乗効果で、手持ち撮影もこなすことが可能です。
カメラボディが軽いミラーレスカメラだと、カメラボディと望遠レンズのバランスが悪く、望遠レンズの重さを余計に感じるかもしれません。
販売しているメ-カ-が少ない
現在、一眼レフカメラを販売している主なメ-カ-は、「キヤノン」「ニコン」「ペンタックス」の3メーカーです。しかも、一眼レフカメラの販売に積極的なのは「ペンタックス」のみと言っても過言ではありません。
「キヤノン」と「ニコン」は一眼レフカメラの2大メーカーでしたが、ミラーレスカメラの人気が高くなると、販売のシフトをミラーレスカメラに変えました。
新商品が販売されていない
2021年と2022年に一眼レフカメラの新製品を販売したメーカーは「ペンタックス」のみです。
「キヤノン」と「ニコン」は、一眼レフカメラの新商品をここ数年出していません。先程も少し触れましたが、完全に販売のシフトをミラーレスカメラに傾けています。2017年頃に発売した、フルサイズセンサーを搭載した一眼レフカメラを今でも現役商品として販売しています。もう約6年も新製品が出ていません。
一部のプロ向けの機種を除いて、一眼レフカメラの新製品はキヤノンとニコンからは販売されないと見て間違いないでしょう。その辺りのことを考えて一眼レフカメラの購入を検討する必要があると思います。
まとめ
一眼レフカメラの特徴についてまとめてみました。
一眼レフカメラは、光学ファインダーの恩恵で野鳥撮影がしやすいです。しかし、カメラボディの重さがネックとなって徐々にミラーレスカメラにシェアを奪われてしまいました。そうこうしているうちに、瞳AFが搭載されたり、ミラーレスカメラの弱点を克服した機種が販売されると、レンズ交換式のカメラと言えばミラーレスカメラになってしまいました。
しかし、野鳥撮影などの動体撮影では、まだまだ一眼レフカメラにも分があると思います。新製品がなかなか発売されないのであまりオススメできませんが、一眼レフカメラで野鳥を撮影するのも楽しいですよ。