野鳥を撮影したくてカメラを買おうとしている人も多いと思います。それだけ野鳥は、人気の被写体と言えます。
そういう僕も野鳥撮影にハマってしまっています。一口に野鳥と言っても、スズメやハクセキレイ、カルガモなどの身近な鳥やヤマセミやアカショウビンなど市街地にはいないようなレアな鳥もいます。
しかし、野鳥は動きが素早く、特に飛翔シーンの撮影の難易度はレベルマックスと言っても過言ではないと思います。そんな素早い動きの野鳥を相手にするカメラにはどんな性能が求められるのでしょうか。
この記事では、野鳥撮影でのカメラの選び方について考えてみたいと思います。
野鳥撮影でのカメラの選び方
それでは野鳥撮影でどんなことを重視してカメラを選べばいいのか考えていきましょう。主なものは以下の通りです。
- カメラの種類
- センサーサイズ
- AF性能
- AFポイント
- 連写性能
- 画素数
- 高感度耐性
- カメラの大きさ
一つ一つ見ていきましょう。
カメラの種類
野鳥撮影で使うカメラは主に「一眼レフカメラ」「ミラ-レスカメラ」「コンパクトデジタルカメラ」に分けられます。一眼レフカメラとミラ-レスカメラはレンズが別に必要になりますが、コンパクトデジタルカメラはレンズ一体型なので、レンズを購入する必要がありません。
一眼レフカメラは光学ファインダーで、リアルタイムの画像を見ることができます。ミラ-レスカメラは機種によっては、鳥の目に自動的にピントを合わせてくれる瞳AFが搭載されています。この瞳AFが搭載されたミラ-レスカメラでは、野鳥の飛翔シーンなどの撮影難易度がかなり低くなりました。コンパクトデジタルカメラは3000mm相当の焦点距離を持つカメラもあり、15万円ぐらいで超望遠撮影を体験することができます。
上に挙げたようにそれぞれのカメラには一長一短があるので、予算や自分の撮影スタイルに合わせて選ぶようにしましょう。「ビギカメラ」では、鳥の瞳AFが搭載されているミラ-レスカメラをオススメしたいです。
センサーサイズ
一眼レフカメラにはフルサイズとAPS-Cがあり、ミラ-レスカメラにはフルサイズとAPS-Cに加えマイクロフォーサーズの3つのセンサ-が搭載されたカメラが販売されています。コンパクトデジタルカメラは、APS-Cかそれより小さいセンサ-が搭載されている機種が販売されています。
一般的に大きいセンサ-の方が背景のボケ量や高感度耐性が高くなります。センサーサイズについては下記の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
AF性能
野鳥の飛翔シーンや素早く動く小鳥の撮影では、AF性能が高い機種の方が素早くピントを合わせることができるのでオススメです。ピント合わせが遅いと、ピントが合っていない写真を量産されることになってしまいます。
また、最近のミラーレスカメラでは鳥の瞳に自動的にピントを合わせてくれる「鳥対応の瞳AF」が搭載されている機種もありますので、野鳥撮影がメインの人はこの瞳AFが搭載されている機種もオススメです。
一眼レフカメラでもAF性能が高い機種はありますが、鳥対応の瞳AFが搭載されている機種はないので、光学ファインダーにこだわりがなければミラーレスカメラの方がいいのかなと思います。撮影難易度が上がる一眼レフカメラで野鳥撮影にチャレンジするのも楽しいですけどね!!
AFポイント
AFポイントが多いと、構図の自由度が高まります。
AFポイントも一眼レフカメラよりもミラーレスカメラの方が優位です。一眼レフカメラのAFポイントは中央に寄っているのに対して、ミラ-レスカメラはファインダー内の90%以上にAFポイントがあります。例えばファインダー内の右下や左上といった端っこでもピントを合わせることができるわけです。
また、AFポイントの数が多いのもミラ-レスカメラの特徴です。より細かいピントを合わせができます。
連写性能
連写性能は1秒間に何枚撮ることができるのかの目安になります。連写性能が高い機種の方が野鳥の飛翔シーンなどで、よりいいシーンをセレクトすることができます。
連写性能はエントリーモデルよりもフラグシップ機の方が高く、また一眼レフカメラよりもミラーレスカメラの方が高くなります。少し前の一眼レフカメラでは10コマ/秒の連写性能でハイスペックな性能でしたが、今のミラーレスカメラだと平均的な性能になってしまいました。
野鳥の飛翔シーンなどで決定的な瞬間を写し止めたいと考えている人は、連写性能が高い機種を選ぶようにしましょう。
画素数
画素数が多い機種だと、鳥の羽などを繊細に表現することができます。また、トリミング耐性が高いので、小さく写った野鳥をトリミングで大きくしたり、構図の調整をすることができます。
僕の使っているZ6Ⅱは約2400万画素なので、トリミングをすると約1000万画素に画素数が少なくなってしまいます。Z7Ⅱだと4000万画素を超える画素数なので、トリミングをしても2000万画素ぐらい残るので十分な画素数が残ることになります。
トリミングを多用する人は、低画素機より高画素機の方がオススメです。
高感度耐性
野鳥の撮影は、日中の明るい場所で行うことが多いので高感度耐性はそんなに気にする必要はないのかもしれません。
しかし、曇りの日や夕方など光量が少ない時は、ISOの数値を大きくして撮影する場面も出てきます。ISOを大きくするということは、画像にノイズが発生してしまいます。
高画素機は高感度耐性が低い機種が多いのですが、トリミングなどをする人は画素数を取るか高感度耐性を取るのか迷うところでもあります。自分の撮影スタイルに合わせて検討するようにしましょう。
カメラの大きさ
野鳥撮影では、超望遠レンズを使うことが多いです。カメラボディの大きさと超望遠レンズを装着した時のバランスが大切になります。
一眼レフカメラはカメラボディが大きいので超望遠レンズを装着してもそんなに重さは気にならず、手持ち撮影も頑張ればできます。一方のミラーレスカメラはカメラボディが小さいので超望遠レンズを装着した時のバランスが悪くなり、カメラとレンズの重さがズシリと身にしみるでしょう。
三脚を使用するよという人は気にする必要はないかもしれませんが、手持ち撮影をする人はできればお店でカメラボディに超望遠レンズを装着して持ちやすさなど確かめてみた方がいいでしょう。
野鳥撮影ではフラグシップ機は必要なのか?
高画素機、高いAF性能や連写性能を兼ね備えたカメラはフラグシップ機が挙げられます。それでは、野鳥撮影ではフラグシップ機が必ず必要なのでしょうか?
答え:野鳥撮影ではフラグシップ機は必ず必要ではない
僕が使っているカメラはニコンのZ6Ⅱです。レビューなどを見るとZ6ⅡのAF性能は酷評されていますが、僕はそんなに悪いとは思っておりません。フラグシップ機を使ったことがないからかもしれませんが、AFの速さ、追随性など十分野鳥撮影で使えるレベルだと思っています。
スズメなどの素早い鳥の飛翔シーンではかなり難易度が上がりますが、コハクチョウやトビ、カワウぐらい大きな鳥の飛翔シーンだと十分撮ることができました。
フラグシップ機は、カメラボディだけで80万円ぐらいする機種もあります。超望遠レンズを入れると出費は100万円を超えるでしょう。僕みたいな庶民にはとても手が出せる金額ではありません。
予算が潤沢にある人ならフラグシップ機を買って野鳥撮影にチャレンジしてもらいたいです。カワセミなどのダイブシーンなど素早い動きのないものなら、ミドルクラスの機種でも十分に野鳥撮影でも使えると考えます。
まとめ
野鳥を撮影する時のカメラの選び方について考えてみました。
野鳥撮影は素早い被写体を相手にするので、AF性能など高いレベルの機種が必要になります。枝に留まっているところを撮る、動きが遅く大きい鳥の飛翔シーンではミドルクラスの機種でも十分に撮ることができるでしょう。
本当はフラグシップ機と超望遠レンズの組み合わせが最強ですが、なかなか手が出ない人も多いと思います。。エントリー機なら20万円ほどでカメラもレンズも買うことができます。フルサイズのZ6Ⅱと24-200mmの便利ズームの組み合わせでも40万円ほどで購入することができます。200mmでは野鳥撮影で十分な焦点距離ではありませんが・・・。
自分の予算と野鳥のどんなシーンを撮りたいのか十分に検討して、カメラとレンズを買うようにしてください。